研究紹介 | 次世代深宇宙探査ミッション

次世代深宇宙探査ミッションについての研究をご紹介します。

・磁気プラズマセイルによる外惑星探査機の研究
・磁気プラズマセイル小型実証機の研究開発
・火星飛行探査のためのシステム設計
・深宇宙探査のための新型エネルギーシステムの検討
・重力波観測技術実証衛星(DECIGO Path Finder)の研究開発
・DECIGO Path Finderのためのドラッグフリーシステムの研究開発

磁気プラズマセイルによる外惑星探査機の研究

磁気プラズマセイルは、宇宙機の周辺に人工的なダイポール磁場を発生させることで、太陽風の運動エネルギーを受け止め、宇宙機に推進力を与えるシステムです。
我々の研究グループでは国内の研究者と共同して、宇宙機の質量、電源、熱制御等のシステム設計や、磁気プラズマセイル宇宙機の中核技術である宇宙用超伝導電磁石システムに関して、研究開発を進めています。



磁気プラズマセイル小型実証機の研究開発

図:磁気プラズマセイル小型実証機

地球脱出軌道にて10mNクラスプラズマセイル技術を検証するため、総重量300kgクラスのMPS小型実証機を、JAXA宇宙科学研究所のプラズマセイルワーキンググループにて計画しています。

JAXAの次期固体ロケットにより地球離脱軌道に投入し、超伝導コイルシステムの冷却と励磁、そして、宇宙機からのプラズマ放出に伴う推力生成の実証を目指します。



火星飛行探査のためのシステム設計

NASAの火星航空機構想図:NASAの火星航空機構想

火星は、地球以外の太陽系惑星の中では、一番生命が存在する可能性が高いとされている星であり、世界中の科学者が注目しています。このため、NASAは、火星の重点的かつ継続的な探査を実施しています。
JAXAにおいても、2010年代後半以降の火星ミッションを検討しており、その候補の一つが、火星の飛行探査です。火星の飛行探査に必要な技術開発が、ISASの火星飛行探査ワーキンググループ(WG)にて活発に実施されています。本研究室も、このWGに参加すると共に、小型・軽量で早期に実現可能なトータルシステムの提案を行います。

リンク先: ‐NASAの火星探査 http://marsprogram.jpl.nasa.gov/
‐ISAS火星複合探査ワーキンググループ http://ci.nii.ac.jp/naid/110007162091
‐ISAS探査航空機ワーキンググループ http://flab.eng.isas.jaxa.jp/meav/



深宇宙探査のための新型エネルギーシステムの検討

図:太陽系脱出ミッション

太陽を遠く離れた太陽系辺境部を探査するためには、太陽エネルギーに頼らない、宇宙機用の新しいエネルギーシステム・推進システムが必要になります。
本研究室では、太陽系辺境部の探査や、太陽系脱出を目指した宇宙機システムの基礎検討を、2011年度より開始します。

過去の太陽系外惑星機・太陽系脱出機は、全てNASAによって実施された。日本独自の独創的なプランが求められている



重力波観測技術実証衛星(DECIGO Path Finder)の研究開発

図:DECIGOの概念図

本研究室は、重力波天文観測衛星(DECIGO)の研究開発を、国立天文台・京都大学などと共同で実施しています。 DECIGOは、NASA-ESAのLISAと共に、アインシュタインの予測する時空の歪みである「重力波」の常時観測により、 ビック版以前の宇宙の直接観測と宇宙創始時の物理現象の解明に役立つと期待されています。

DECIGOは1,000 km離れた3台のドラッグフリー衛星から構成され、 重力波によって引き起こされる衛星間の距離のごく微小な変化を、レーザー干渉計を用いて計測を行います


リンク先:
‐日本の重力波天文観測衛星(DECIGO)http://tamago.mtk.nao.ac.jp/decigo/
‐NSAS-ESAの重力波天文観測衛星(LISA)http://lisa.nasa.gov/



DECIGO Path Finderのためのドラッグフリーシステムの研究開発

図:DECIGO Pathfinder (DPF)

DECIGOが重力波観測をする上でもっとも重要な要素技術が、「ドラッグフリーシステム」です。 衛星の重力波センサ(テストマス)部に作用する重力以外の外乱を取り除くためには、 衛星の姿勢を精密に制御するための超小型推進機(マイクロスラスター)が不可欠です。 本研究室では、マイクロスラスタシステムを含むドラッグフリーシステムの研究開発を実施しています。